考えられるウォータースポットに対する対策 その2

◇ 犠牲被膜を活用する

いきなり「犠牲被膜」と言っても専門用語なので分かりにくいかと思います。
犠牲被膜とは付着物をわざとに付けるトップコートの層の事を指します。 付着物は、塗装面にガッチリ付着させてしまうとなかなか除去出来ない傾向にあります。 そこで、塗装の上に付着しにくくするためにクッションを施します。
ここで言うイオンデポジットに強いクッションとは、ズバリ油脂系のコーティング剤です。 ちなみに、最近よく耳にするガラスコーティングでは、どちらかと言うと塗装に近い特徴を持っており(硬さ・固まる等)、塗装上と同じような付着度合いになります。 ガラスコーティング施工車がウォータースポット・イオンデポジットが付きやすいという事を耳にする事がありますが、これは付きやすいのではなく何もしていないのと同じように付く、というのが正当な解釈かと思います。(ただし例外もありますが…)
ではなぜ油脂系コーティングがウォータースポットやイオンデポジットに良いのでしょうか? それは、固まらないという液性にあります。 固まらないで油膜として表面に存在している限りはイオンデポジットの喰らい付きを防いでくれます。
ただ、WAXを含む油脂系のコーティングは、逆に水垢を呼ぶ、耐久性がない、というウィークポイントがあり、洗車の度にコーティングを施すのはなかなか労を要します。 そこで一番有効なのが、ベースコートにガラスコーティングを施しておいて本来の塗装の保護し、さらにその上に簡易的に施工できる油脂系コーティングを適度なスパンで掛け替えていく、というのがベストな考え方。
ここで言う簡易的な油脂コーティングとは、コーティングのメンテナンス等に使える研磨剤(クリーナー)の入っていないトリートメント剤(リンス・メンテナンス剤とも呼ばれる)です。 苦労せずに簡単に掛けられるので、適度なスパンで掛け替え出来、イオンデポジットの付着を最大限に防ぐことが出来ます。 極端に言うと、水垢等の事を全く考えなければ、ベースコートなしでトリートメント剤のみを頻繁に施工するのも一つの手でしょう。
犠牲被膜を切らしてしまわないように、適度に掛け替えを行ってケアしていく事が、ウォータースポット・イオンデポジットから愛車を守る一番有効な方法です。

犠牲被膜を活用してウォータースポット・イオンデポジットから守るイメージ

塗装面にガッチリこびり付いたイオンデポジット塗装面上にイオンデポジットを一度ガッチリと付けてしまうと通常の洗車では取ることが出来ません。
ボディ面がカラカラの状態(何の保護もされていない状態)だと上記イラストのようにこびり付いてしまう事になります。

 

 

犠牲被膜を利用して保護するイメージ塗装面上に犠牲被膜(油脂コーティング剤の被膜)を掛ける事でイオンデポジットが喰らい付かずに、次に洗車を行った際、もしくは犠牲被膜を掛け替えした際に取れてくれる事になります。
ただし、犠牲被膜として利用できるコーティング剤は、「硬化しない事」「再度掛け替えした時に塗り替わる事」が条件になります。 欲を言えば掛け替えに「労を要しない事と安価な事」があれば万全です。

Follow me!